歯が折れるような

ときどき、顎の筋肉が緊張して、ものすごい力で歯を噛みあわせようとすることがあります。その筋肉の収縮は、自分の意思には関係なく起こるもので、その発作とでも言うべき状態になると「このままとんでもない力で歯を噛み合わせて、歯がへし折れてしまうのではないか」と考えてゾッとしてしまいます。発作中は、全力で筋肉に抗っても、というより口を閉じろという無意識的な神経の電気信号と、それに抗う意識的な神経の電気信号の闘いなんだが、どうやっても噛む力をずっと抑えたまま緊張を解くことができない。なので恐る恐る歯をゆっくりと噛み合わせて、ひとしきり歯を食い縛って緊張がとけるまで、祈るようにしながら待っているのです。