電子政府か、、、

http://d.hatena.ne.jp/scinfaxi/20080717/1216231366を読んでいて、なんかそれはちがうんでないかなーと思うことがあったので。

どっかの大学か企業がソフトウェアによる政府を開発してみる → 人間よりうまくやれるし、導入すっべ

この→は正直なところありえないんじゃないかと思う。技術的によいものであっても、政治家なり官僚が既存の権益をみすみすコンピュータに渡すとは思えない。

まあ、そうなったら人類の時代は終わりを告げるだろう。なぜなら、少なくとも人工知能実現から暫くしたら人間以上の性能を持ったロボットも開発され、肉体労働知的労働共に人間の仕事は消滅する。一切合切の労働を奪われ、何をやらせても機械の方がうまくやれるようになったら、多くの人々は自殺してしまうのではないかと思うのだ。

自殺するちうか、労働という仕組みがないと人間はどこから賃金を得るんだろう?機械ができる仕事が増える→失業者の増加、じゃないかな。で、気がついたら人間が全員失業していて、機械様が人間の失業対策とか言いだすんだろうか。言いだしたらおもしろいな。

正しさ

真面目な話、そこらへんの話は数学者が血道をあげてやってきたので、それを使わない手はないでしょう。

数学者なり理論系の計算機屋がやってる正しさというのは、「フォーマルに示せるプログラムの正しさ」であって、「政治などの出力の正しさ」とはレイヤーが違いすぎるのでは。人間の感じる「正しさ」というのは、非常にあいまいで、時代や文化、環境などに大きく左右されてしまう。もちろんそれらを考慮して大多数の人間が「正しい」と感じる結論をその時その時で出せるというのならいいんだけど、それこそフレーム問題にぶちあたるのでどこかで評価の枝刈りをしなきゃいけない。だとすれば、正しさを保証することは難しいんじゃ。人間がやるよりかはマシになるのかもしれないけれど。

さらに正しさという点では、人間の知能はファジーであるからこそそれなりに複雑な判断が高速にできてんじゃねーの、というのがなんとなく俺のぼんやり思っていることで、きっちりかっちり結果のでる現在の計算のパラダイムで正しいとフォーマルに証明できても、はたしてそれが人工知能の出力の正しさを保証するかっつーと甚だ疑問。

ちゅーか、スレの議論は時間的な視野が狭すぎ。ただ、スレの視野(50年以内ぐらい?)であっても、余りに悲観的だなぁと思うけど。

時間軸的な視野を広げると、まず現在の計算機で「真理」とされていることが成り立たなくなる可能性もあるんじゃないかな。「当然の前提」として考えていることも、疑い議論する対象に入ってくると思う。上の計算の正しさの話などもそう。そもそもシリコンの上で電子が踊ってるタイプの計算機が未来まで残っている可能性もあやしいもんだ。

この手の妄想話は楽しくてよいのだけれど、いろいろ可能性を考えてみると、現在の技術の延長線上には実現しないだろうなぁ、というのが俺の持っているイメージ。まだ見ぬ何かに期待age。まず計算機のパラダイムが変わらないとまともな人工知能はできないんじゃないかなー、という。まあ、そこらへん素人なんで偉そうなことは言えないんだけど、すくなくともシリコンチップの性能向上はもうすぐ頭打ちで、とにかくコア増やそうぜ!みたいな複雑さが飛躍的に向上するくせに計算速度はそれに比例するとは限らない、みたいな世界が待っていそうだし。それじゃ人工知能の計算を支えるにはあまりに心もとないかんじ。


ふと、人工知能が学習を続けた結果、世の中を悲観して自殺しはじめたらおもしろいな、と思った。